一般小説化は失敗だったのではないか。
レビュアーに「キャラクター小説」と指摘する人が多いが、元々ライトノベル作品であり、イスラムが注目されているおり、改稿して一般小説装丁で文庫化したものである。旧版のジャンプノベルズ版もそうだったがレーベルに恵まれないタイトルで、本来想定している読者に届いていない可能性がある。
田中芳樹の「アルスラーン戦記」等と比較している意見もあるが、私の評価は逆である。きちんと作品を完結させ、偏向した政治臭のない娯楽性を重視する作風は信頼できる。完結しない作品を乱立している作家以前の人と比較されるのはこの作者にとって残念なことだろう。
アイヴァンホーやロビン・フッド、リチャード獅子心王など当代の英雄群雄が一同に会する群像絵巻は何度読んでも楽しい。
食材とそれを料理するシェフの腕前
十字軍の遠征をイスラムの視点から切り込むの点で、著者は鋭い嗅覚を持っている思う。裏打ちされた資料とそれを咀嚼するだけの理解力、そして知性を作者が持っているのは確かのだろう。 しかし、だ。文章力が標準以下である。これは痛い。マンガの原作とかシナリオであればこれでいいのかもしれないが、あくまでもこの作品は「小説」である。小説には小説の作法があるのでないのではないのか。小説にマンガの手法を取り込むのは悪いことではないが、それはあくまでも小説であることを前提としてオプションとして追加する場合のみである。 そこが残念でならない。素材を選ぶだけの嗅覚と奇抜な発想が出来るのだから、基本となる文章がどうにかなればかなりの作品となったものを……。 ただし、著者の可能性に免じて☆3つ。甘すぎるかもしれないが。
私的に満足・・・
私は何か歴史とファンタジーがまじった小説を読もうとしてこの本を買いました。3巻だか4巻か覚えてませんがあのラストは泣けました・・・
歴史小説…というかむしろ。
歴史「ファンタジー」です。解説の連載という恐らく日本初の試みをした乙一氏いわく、 「真実の中に虚構を織り込むというより、 虚構の中に真実をおりこむ」ように、 歴史ではなく、キャラの立ったファンタジーとして楽しませる小説でした。 歴史の流れより、個性的なキャラ中心に回っていくのです。 しかもパロディ・オンパレード(笑) ロビンフッドやアイヴァンホー(イギリスの騎士小説の主人公)までひっぱってくる、ごった煮十字軍に対するは、 キリスト教徒の天才軍略家ヴァレリー…うんまあ、どこかで見たような気がしないでもない人なのですが(笑) それでも面白いからよし! 難点なのは人物の描写が少ないこと。ジャンプノベルだった際には挿絵が入っていたのですが… 文字だけになるとちょっと厳しい。 このご時世だから読んでみようという人向けではない、純エンターテインメント小説です。
あちゃー。。。
期待してました・・・。 参考文献をみると、英文のそれなども使っていて、 わりと「勉強」されているようなのに・・。 どなたかも書かれていましたが、「既視感」ありすぎ。。。 視点はとてもいいんですけどね〜。 もっと大胆にこの時代を引きずりまわしてほしかったし、 キャラ設定もすこし考えてほしかったっす。 残念――――――。
集英社
ジハード〈2〉こぼれゆく者のヤーファ (集英社文庫) ジハード〈3〉氷雪燃え立つアスカロン (集英社文庫) ジハード〈4〉神なき瞳に宿る焔 (集英社文庫) ジハード〈5〉集結の聖都 (集英社文庫) ジハード〈6〉主よ一握りの憐れみを
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