不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)
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商品カテゴリ: | 人文,思想,学習,考え方
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セールスランク: | 1779 位
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参考価格: | ¥ 540 (消費税込)
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一つのロシア語同時通訳バブルの総決算
本書は、米原万里の作家としての実質的なデビュー作である。
絶妙なタイトルは、本編の内容を期待させるが、裏切られること無く堪能できる。
同時通訳者が日頃如何なるストレスに晒されているのか、依頼者か、通訳の対象としてのスピーカー・原発言者か、聴衆か、はたまた実は他言語の通訳者か。
本書によって明かされる、言語の背景をも含めた文化の衝突と相克が、生きた人の現場の右往左往と突発的な自体に遭遇した場合の人間のある種漫画的な突破力・瞬発力を含め、「事件は現場で起こっている。しかし、基礎と蓄積と閃きが無ければ事件は解決しない。」と思わせる。
同時通訳業界のイメージが、読書前と様変わりし「斬った張った」の世界であると認識された。
しかし、いま新規に本書のような内容が編まれるすれば、通訳業界のクライアントは許すのだろうか?
浮気性の美人と堅い醜女とは、翻訳論?
優れたエッセイ、文化論です。「通訳者の資質とは?」これを、しっかりを思い知らせてくれます。通訳になりたかったわたしは、これを読んで、あっさりあきらめました。優れた素質と、途方もない努力なしには、通訳という職業は存在し得ない。しかし、通訳する本人と会って10時間、殺したくなるほど憎くなったりすることも、あるそうです。
ユニークな文化論として、あなたに一読をお勧めします。
優れたコミュニケーション論
彼女の他のエッセイの方を先に読んでいたため、この書のことも書名から「下ネタたっぷり、世界の恋愛事情」的な内容とばかり思っていたのだが、堅くまじめ、でも読みやすくて笑える「通訳論」の本でした。
私もすごく昔、「(典型的な)英語が好きな(かぶれた)中学生」として、通訳もしくは翻訳業に就きたいと思っていたことがある。でも、この本を読むと、単なる「語学好き」じゃ通訳業は務まらないことが分かる。言葉と言葉を一対一で訳しているのではなく、その発言内容の「本質」を瞬時につかみ取り、文化背景等を咀嚼した上で、正しく訳出する…超人的なコミュニケーションスキルが求められる仕事です。。
目指さなくてよかった、あるいは、本気で目指してみれば良かった、と思いながら読みました。面白い。
長く読み継がれるべきエッセイ
言葉より意味を優先した意訳(不実な美女)か、単語は忠実に訳されているが意味わかんない逐語訳(貞淑な醜女)か。二人の主に仕える下僕、通訳という仕事は、本当に奥が深い。著者は通訳の失敗談を交えながら、言葉を他の言語で表現することの意味を論じ、それが言語論、語論になり、文化論になり、教育論になっていく。それぞれ内容が深い。著者が若くして亡くなったのは通訳業のストレスからだろうか。名越健郎のあとがきの、エリツィンと著者のエピソードまでおもしろかった。
「通訳論」を超えた良質なエッセー
この本は「通訳論」なのですが、それを超えた作品になっています。それは、単なる「通訳論」に留まらず、翻訳も含めた「言語論」になっています。その一方で、様々なエピソードを取り入れながら、作者独自の語り口で読むものを微笑ます、良質のエッセーになっています。人の失敗は面白いもので、ここに挙げられた通訳の方の失敗談は、楽しい気分にさせてくれます。しかし、その失敗の裏にあるものを考えると、とても笑っていられないのですが・・・。
実は、私も仕事上で同時通訳の方を使ったことがあります。その時は、随分たかいんだなあという印象でしたが、この本を読んでみて、事前の準備の大変さが良く解りました。当時、前日にレジュメを渡してくれと言われたのですが、準備が間に合わず、結局、2時間前でした。おまけに、喋りが早口になり通訳の方は大変だっただろうなと思います。
確かに、全く違うジャンルのことを常に通訳しなければならない訳で、用語の準備からして大変でしょう。その産業の独自の用語もあれば、M&A独自の用語もあった筈です。つくづく大変だなあと思います。
新潮社
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫) 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫) ガセネッタ&(と)シモネッタ (文春文庫) ロシアは今日も荒れ模様 (講談社文庫)
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